皆さん、こんにちは!林業5年目に突入した伊藤です。
ヤマザクラを剪定した際に出た、未利用木材を活用して「拘りの燻製」を作りました!
実際にスモークチップを作るところから、拘って作ってみたことでキーポイントが分かってきました。
結論から言うと、私はこの「未利用木材を使った燻製」にとても満足していて、「地元を味わう」方法としては有効だと思います!
なぜ、私は「地元を味わう」方法として有効だと判断したのか。
拘った点を紹介しながら、読者のあなたも「地元を味わう」ことが出来るよう手順を解説します。
最後までお付き合いください!
未利用木材からスモークチップを作る
今回、使用した未利用木材は直径10~15㎝のヤマザクラの枝です!
ヤマザクラはスモークチップとして王道ですが、この他にもブナやナラ、オニグルミやリンゴなども人気です。中国山地ではヤマザクラやナラは身近な樹種なのであなたの周りにも未利用木材となった物が見つかるのではないでしょうか。
状態としては、切ってから2年は経過して中の水分は抜けて薪として使える乾燥具合です。ものによっては、虫食いの穴が沢山開いたものもあります。
燻す燻製に使うには、丸太をチップにすることが好ましいです。チップにすることで、燻すために必要な大量の煙を発生させやすくなります。加熱すると表面積が多くなる分、酸欠状態を起こしやすいです。
スモークチップを作る方法として以下を考えました。
・チッパーに投入
・チェンソーで切創
・鉈やナイフで削ぐ
・プレーナーをかける
状態が千差万別の未利用木材をより多くの方に実践できる方法に拘ります。
ずばり、「チェンソーで切創」です!
硬い節や太い丸太でもチップに出来て、汎用性があり一般的な機械でもあると考えます。
ひとつ、注意して頂きたい点は「チェンソーオイル」を使用しないこと!
代わりに使うのは食用の「サラダ油」です。
使用方法はオイルタンク内を空にします。ここで、タンク内にサラダ油を入れないようにご注意下さい。使用後、固着して吐出しなくなる可能性がありますので。
ガイドバーとソーチェーンに垂らして切削していきます。
あっという間に大量のチップが出来ました!樹皮が付いたまま切削してみましたがチップになれば全く気になりません。
食材を準備しよう
燻製する食材は「アマゴ」です!
煙はタンパク質との相性がとても良いことから、魚を選びました。
広島の魚を使いたかったので、川魚を調達しに行きました。
川の恵み、美しい「アマゴ」を釣ることが出来ました。
もちろん、鮮度バッチバチです。
スーパーの値引きされた刺身用のお魚も燻製にもってこいです。魚だけに関わらず鶏・豚・牛でも
良いですね。
下準備としてソミュール液に7時間漬けこみます。
7時間後、真水で1時間塩抜きします。塩抜きをした切り身はしっかり水を切り、冷蔵庫で1日脱水を行います。
この脱水が非常に重要になります!!食材表面に水分が残っているとスモーキーに仕上がらず、酸味の原因となります。
スモークチップを使って燻そう
燻製は燻す際の温度によって、冷燻・温燻・熱燻に分類されます。
スモークチップは温燻・熱燻に適しており、加熱して80℃前後で2時間燻します。
【スモークチップの使い方】
1.スモークチップ(一握り)を受け皿に乗せる
2.食材をセットする
3.蓋をした燻製器を火にかけて、徐々に火力を上げる
4.煙が出始めたら、80℃前後を維持する
燻製器は一斗缶を連結させた手作りです。少量の食材を燻製するのであれば、フライパンなどでも代用できますので規模に合わせて選択してください。
加温は焚火を利用しました。熱エネルギーも地元の木を利用して得ることが出来ました。
燻製器内の温度を一定に保つための火力が必要となるので、薪の補充や配置に気を使います。
燻製された食材は茶色く色付き、表面にはスモークの膜が張った状態となっています。
食べるのは1~3日おいて、煙臭さを飛ばします。
冬場の寒い環境なら外干しがよく、冷蔵庫にそのまま入れておくのもいいです。
「アマゴの燻製」とてもとても美味しいです!
ヤマザクラの力強いスモーキーに負けない、アマゴ特有の旨味を噛むほどに感じます。
旨味がありつつ、上品なスモーキーは唯一無二です。
未利用木材を使用して燻製を作りましたが、「その地の木」と「その地の食材」を味わうためのとても良い方法だと思いました。
これは地酒とも合いそうです。
それでは、自然の恵みに乾杯!!